中小企業に求められる「新しい生活様式」への対応方法ーその2

新しい生活様式 執筆

第2回 インターネットやSNS等を活用した販売戦略(その1)

今回は、中小企業に求められる「新しい生活様式」への対応方法の第2回目と
して「インターネットやSNS等を活用した販売戦略(その1)」についてお話
しします。

1.小売業「不要不急」で別れた明暗

 小売業には大きく分けて2つの業態があります。
 1つは、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなど生活必需品を扱
う社会インフラとしての小売り業、こちらは、緊急事態宣言下でも営業を続け、
巣ごもり・買いだめ需要に追われましたが、店舗チラシや特売日をやめるなど、
逆に密を避けるために様々な工夫が求められました。
 もう1つは、「不要不急」の対象となった、専門店や百貨店です。大手百貨店
は緊急事態宣言で全館休業となり、百貨店依存のアパレル産業の共倒れ現象が発
生しました。レナウンが5月に民事再生法を受けたのは記憶に新しいところです。
百貨店は産業のすそ野が広いので、中小企業は大変な打撃を受けました。

2.「社会インフラ小売業」の戦略と課題

 生活必需品を取り扱う「社会インフラ小売り」では、必要な商品を安定して確
保し、供給する必要があります。マスクやトイレットペーパのパニック需要、カ
ップ麺や冷凍食品の備蓄在庫需要などで、需給の乱高下に振り回されないような
戦略が求められます。
また非常時でも、買い物客が絶えない「社会インフラ小売り」は、店舗における
非接触と三密回避の徹底が課題といえます。

3.「専門小売」の戦略と課題

 家電販売、百貨店、ショッピングモールのような「専門小売業」は、かつては、
店頭で商品を確認し、店員から商品や利点の説明を受けて質問し価格を確認して、
納得して購入していました。(店頭購入行動)
 その後、IT検索が世の中に普及すると、インターネットで商品の情報や価格
の情報等を得て店頭に行き、店頭で商品を確認する消費行動に変わりました。
(Online to Offline消費行動)
 SNSで商品のクチコミが普及するようになると、メーカーからの一方的な商
品情報や、比較サイトでの間接情報よりもクチコミのダイレクトな情報を購買行
動の起点とするようになりました。
 消費者は店頭に出向くことが少なくなって商品の評判・評価をもネットで得て、
現品を確認せず購入する消費行動に変化しました。(User Generate
d Content認知行動)
 さらに、個人が不必要になった中古品や使い残し品を気軽に自由に販売する時
代にもなりました。中古品サイトは消費者のお試し購入をする場にもなっている
のです。
 こうした消費者の変化に、小売業はどのように対応すればよいのでしょうか。

4.ネットとリアルの融合

 アパレルをはじめとする「専門小売」の商材は高関与商材といって、消費者が
しっかりと検討を重ねたうえで購入する特徴があります。したがってその店員は
商品提案や接客に長けていて、中小企業の大切な人材です。
 ところが店舗休業という事態に直面し、そうしたヒューマンな部分までネット
で提供されるようになりました。(デジタル接客)
 「物を買う」という意思決定を阻害する要因を「フリクション」と言いますが、
実店舗であれば、店舗スタッフが接客という行為を通じてフリクションを解決す
ることができますが、Webサイトの場合は、フリクションを解消するコンテン
ツや、情報を自分で探さなければならず、ハードルが高くなります。
 つまり、ネット上の接客で大切なことは、「フリクションを自己解決できない
お客様をうまくサポートしてあげる」ことであるといえます。これを「デジタル
接客」といいます。
 「オムニチャネル」と呼ばれる「ネットとリアルの融合」した接客はそうした
優秀な社員を生かしながらIT技術を活用する突破口になるかもしれません。
 例えば、子育てママさんの店舗スタッフであれば、出勤しないでデジタル接客
することができますし、地方勤務の優秀なスタッフを全国ネットでデジタル接客
に対応してもらうことも可能となります。
 このような現象は、コロナ禍でやむを得ず始めたところもありますが、ネット
に不慣れな顧客、仕事が少なくなってしまった店舗スタッフ、双方にメリットが
ありますので、コロナ後においても、販売戦略として大いに活用できるのではな
いでしょうか。

次回は、「卸売業」の販売戦略についてお話します。 

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